誰もが一度は聞いたことがある「ソーシャルメディア」。でも、SNSとの違いや厳密な定義が分からないという人も多いかと思います。
この記事では、ソーシャルメディアの意味を掘り下げて解説します。利点や社会に与える影響も分析しましたので、これから始めるという人はぜひ参考にしてみてください。
ソーシャルメディアとは?
ソーシャルメディアとは、パソコンやスマホを介して他のユーザーと交流できるオンラインサービスのことです。メディア(画像、テキスト、動画、音声など)の共有を中心としたサービスで、自らの体験を他の人と共有して楽しめることで人気を集めています。
世界初のソーシャルメディアは、1997〜2000年まで運用されていた「Six Degrees(シックス・デグリーズ)」というSNSサービスだと言われています。ソーシャルメディアの影響力が高まったのはスマートフォン普及後で、2010年代にはInstagram、Twitter、Facebookといった決定版プラットフォームが出揃う結果となりました。
SNSとの違いは後に解説しますが、ソーシャルメディアは「フォロー」と言われる機能により他のプラットフォームと差別化を測っています。特定のアカウントを「フォロー」することで、そのアカウントに関するアップデートを受け取ることが可能です。
「フォロー」はソーシャルメディアの代表的な機能
特定のアカウントをフォローしている人を「フォロワー」と呼び、このフォロワーの数が多いほど人気の高いアカウントだと言えます。このことはビジネスにとっても関係が深く、フォロワーを獲得して商品を宣伝するSNSマーケティングを展開する企業も多数存在します。
多くの利点が存在するソーシャルメディアですが、社会への影響を懸念する声もあります。特に思春期の若者はソーシャルメディアを利用する人が多く、精神面で悪影響があるのではと考える人も多いようです。
自身の投稿が「炎上」することでイジメに発展することもあり、心ないコメントによって心の病を患ったり、最悪の場合には自らの命を絶つという選択に至ったりするケースが報告されています。こうしたことが原因で、ソーシャルメディアの問題点に関しては活発な議論が繰り広げられています。
【ソーシャルメディアの特徴】
- 投稿の共有
- 可視度の高いプロフィール情報
- フォロー、コメント、「いいね」機能
- ホーム画面でフィードを確認できる
- 費用対効果の高いコンテンツマーケティング機能
ソーシャルメディアとSNSとの違い
ソーシャルメディアとSNSは、ほとんど同義的に使うことのできる言葉です。SNSは正式には「Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」と言い、日本ではソーシャルメディアよりも頻繁に使われる言葉だとされています。
一方、海外(特に英語圏)ではSocial Mediaの語が一般的で、SNSという言葉はあまり使われていません。そのため、両者の違いは地域差によるところが最も大きいと言えるでしょう。
ただし、細かいながらも以下のような違いも存在します。
SNS
利点・・・個人的なつながりを深められる
デメリット・・・個人情報の可視度が高いため、プライバシーの侵害が起こる可能性がある
代表的なSNS・・・Facebook、LinkedIn
「ソーシャル・ネットワーキング」というだけあって、SNSは個人間のつながりに焦点を当てています。友達や家族など、内輪だけでの情報交換に適しているものも多く、コミュニケーションを促進するチャット機能が付いているものも多くあります。
ビジネスへの応用も可能ですが、その場合はハブメディアとして用いたり、顧客とのやりとりを優先したりする場合が多いようです。カスタマーサービスを提供する例もあり、Facebookなどが典型的な例になります。
ソーシャルメディア
利点・・・不特定多数の人とつながることができる
デメリット・・・個人的なつながりを築きにくく、ユーザー間で交流しにくい
代表的なソーシャルメディア・・・YouTube、Instagram
対するソーシャルメディアは、不特定多数の人に対する情報発信の場として用いられることが多いです。ハッシュタグやキーワードを有効活用し、多数の「いいね」やフォロワーを獲得することに焦点を当てたサービスが多いとされています。
ビジネスの観点からは、安価なオウンドメディアとしての応用が可能という利点があります。魅力的なコンテンツを配信することで顧客基盤を強化し、見込み客を獲得してビジネスの認知度を向上させるのにうってつけの場とされています。
ソーシャルメディアの例
代表的なソーシャルメディアの例をまとめてみました。プラットフォームごとの特徴もまとめていますので、自分にあったプラットフォームを探すのに役立ててみてください。
Instagramは、主に動画像を共有するためのプラットフォームです。日常生活での何気ない場面を共有したり、旅行先で撮影した思い出の写真を共有したりする目的で使用されます。ビジネスアカウントもたくさんありますが、人気歌手などの有名人がフォロワーを独占する傾向にあり、娯楽的な要素の大きいソーシャルメディア例です。
その性質上、インフルエンサーマーケティングを展開するのにも向いていると言えます。特に生活雑貨などの日常で使える製品や、レストランやカフェのメニューなどを宣伝する際に最適だと言えるでしょう。使い方は簡単ですが、ハッシュタグなどのSNS機能は慣れないと活用が難しいかもしれません。
【こんな人にオススメ】
- カメラ好きの人
- 好きな有名人がいる人
- 飲食店の経営者
いいね |
ハッシュタグ | フォロー | 匿名度 | 主なメディアタイプ | ビジネスへの活用 |
✅ | ✅ | ✅ | 中 | 動画像 |
★★★★☆ |
Twitterは、主に文字を中心としたソーシャルメディア例です。年齢層が高く、政治や経済などに関する議論が繰り広げられる場でもあります。匿名性が高いのも特徴で、日本では最も利用者の多いSNSだとされています。
マーケティングへの応用例も多く、運営コストの低さが魅力的なようです。使い方が極めて簡単かつ匿名で利用できるため、ソーシャルメディアの意味がわからないという初心者の人にもオススメできます。利点が多い一方、投稿が炎上しやすいなどのデメリットも存在します。
【こんな人にオススメ】
- 議論が好きな人
- 時事に関心のある人
- 同じ興味関心を持つ人とつながりたい人
いいね |
ハッシュタグ | フォロー | 匿名度 | 主なメディアタイプ | ビジネスへの活用 |
✅ | ✅ | ✅ | 高 | テキスト |
★★★★☆ |
Facebookは、一部の国では国が認める公式データベースとしても利用されているSNS系ソーシャルメディアです。学歴や仕事など、詳細な個人情報を公にする(必須ではありません)場でもあり、親しい人とつながりたいという人が利用する傾向にあります。
また、複数のSNSアカウントやサイトを運営している個人・企業が、オンライン上の拠点として活用するケースもあります。あらゆるメディアタイプに対応しており、信頼の置けるアカウントに対して公式情報を発信する場として適しています。
【こんな人にオススメ】
- 親しい人とオンラインで情報共有したい人
- 交通機関の運行情報など、よく使うサービスの最新情報が知りたい人
- 複数のSNSアカウントを持っており、ハブサイトとして利用したい人
いいね |
ハッシュタグ | フォロー | 匿名度 | 主なメディアタイプ | ビジネスへの活用 |
✅ | ✅ | ✅ | 低 | 動画像、テキスト |
★★★★☆ |
YouTube
非SNS系のソーシャルメディア例として筆頭に挙げられるのがYouTubeです。クリエイターがその他のユーザーに対して一方的に動画を提供する場として知られており、ユーザー間での交流は非常に限られています。アカウントをモネタイズするのが比較的容易で、動画作成を生業とする人はYouTubeで生計を立てるのも不可能ではありません。
動画マーケティングを展開するのに適していますが、運用コストの高さを嫌う企業もあるようです。個人が使用する場合は、他のソーシャルメディアよりも娯楽性が高いという利点があります。国内外の動画が多数視聴できるため、暇つぶしや教育目的で使用するのに最適だと言えるでしょう。
【こんな人にオススメ】
- ゲーム動画やお笑い番組など、娯楽系の動画を楽しみたい人
- 情報クリエイターの人
- 動画のディスプレイ広告を出したい人
いいね |
ハッシュタグ | フォロー | 匿名度 | 主なメディアタイプ | ビジネスへの活用 |
✅ | ❌ | ✅ | 高 | 動画 |
★★☆☆☆ |
関連記事・・・LinkedInの使い方
日本でも知名度が上昇しつつあるLinkedInは、企業や求職者向けの総合プラットフォームです。他のソーシャルメディア例と異なり、いいねやハッシュタグなどのSNS機能が非常に限られているのが特徴です。求職やセミナーなどに関する情報共有を主な機能としているため、娯楽性がほとんどないのも特徴だと言えるでしょう。
求人広告を出すのに最も適しており、事業をもっと多くの人に知ってもらいたいという場合にも最適です。キャリアパス形成を目指す人が自己アピールできる場でもあり、自分の経歴やスキルを知ってもらいたいという場合にはLinkedInの使用がおすすめです。
【こんな人にオススメ】
- キャリアアップを狙っている人
- いわゆる「意識高い」系のやり手サラリーマン
- 企業プレゼンスを向上させたいという人
いいね |
ハッシュタグ | フォロー | 匿名度 | 主なメディアタイプ | ビジネスへの活用 |
❌ | ❌ | ✅ | 低 | テキスト |
★★★★★ |
ソーシャルメディアの利点
ソーシャルメディアには数多くの利点が存在します。以下に代表的なものをまとめてみました。
コミュニケーションを促進できる
ソーシャルメディアは友達や家族とコミュニケーションを取るのに最適で、複雑な情報も簡単に共有することができます。新製品や旅行プランに関する情報などをワンクリックで共有できるため、人と人とのつながりを強化できるという利点があります。
学習の場として機能する
フィードを通じて常に最新情報が提供されるため、ソーシャルメディアを学習の場として用いる人もいます。時事だけでなく、他人からインスピレーションを得たり、新しい知見を得るのに最適の場所だと言えるでしょう。一方、ユーザーが欲しいと思う情報を優先するアルゴリズムにより、得られる情報に偏りがあるという問題もあります。
自己表現できる
多数の人に向けてコンテンツを配信できるため、自己表現の場としても最適です。アーティストやクリエイターの人が自身の作品を公開するケースが多く、国際的に知名度を向上させるのに役立てることができます。一方、青少年の自己形成にとって悪影響があるとする意見もあり、過度な自己PRはヘイトスピーチやプライバシーの侵害につながる危険性もあります。
マーケティングが容易
事業規模に関わらず、多くの人に効果的に商品を宣伝できるという側面もあります。企業が自ら公式アカウントを運用する場合もありますが、マーケティング会社に代行を依頼するのも一般的になりつつあります。コンサルを受けてSNSに関する知見を得ることは、今日の競争市場を生き延びる上で不可欠だとも言えるでしょう。
ソーシャルメディアのやり方
ソーシャルメディアのやり方を紹介します。プラットフォームによって手順は多少異なりますが、概ね次のような流れとなることが一般的です。
- アカウントを作成する
- プロフィールを作成する
- コンテンツを検索する
- 投稿する
- 他の人とつながる
1.アカウントを作成する
まず、利用したいソーシャルメディアにアクセスしてアカウントを作成します。パソコンからアクセスすることもできますが、スマートフォンでアプリをダウンロードすると使いやすいことが多いです。アカウント作成には、次のような情報が必要となることが一般的です。
- アカウント名
- メールアドレス
- 電話番号(必須でないところが多い)
【ポイント】必須でない情報は提供しないようにすると安全
2.プロフィールを作成する
アカウントを作成したら、一般に公開されるプロフィールを作成します。年齢や趣味などを入力するのが一般的で、プラットフォームよっては居住地や家族構成などを入力する項目もあります。プライバシーを守りたいという人は、個人的な情報は非公開とするといいでしょう。
会社プロフィールを作成する場合は、公式サイトや事業内容などを入力することもできます。他のSNSソーシャルメディアと連携できることも多く、特にTwitter、Instagram、Facebookは公式の連携機能が内蔵されています。
【ポイント】ビジネスにとって、ランディングページへのリンクは必須事項
3.コンテンツを検索する
自分が見たいと思うコンテンツを検索するには、検索バーにキーワードを入力します。鉄道に関することが見たいという場合は「鉄道」などと入力するといいでしょう。ハッシュタグ、ユーザー名、トピックなどが検索対象で、人気の投稿が優先して表示される場合がほとんどです。
また、ホーム画面からはフィードを確認することもできます。フィードは自動で表示される最新の投稿のことで、フォローしているアカウントの投稿や、その他の関連性の高い投稿が優先して表示されます。フィードに付いているハッシュタグなどから、興味のある話題をみつけてみるのもありでしょう。
【ポイント】ユーザー名で検索するよりも、ハッシュタグや投稿文で検索するのが効率的
4.投稿する
コンテンツを他の人と共有したい場合は、投稿ボタンをクリックして投稿を作成します。テキスト、画像、動画の投稿が可能な場合がほとんどですが、GIFや絵文字などを共有できる場合もあります。また、アカウントをアップグレードすることによりスケジューラなどの高度な投稿機能が利用可能となることもあります。
ビジネス目的でソーシャルメディアを利用したいという場合は、ビジネスアカウントへのアップグレードがおすすめです。投稿のパフォーマンスを分析する機能が利用できる場合もあり、メールマーケティングのような形で簡単にコンテンツを配信できます。
【ポイント】他のソーシャルメディアにまとめて投稿できる機能もあり
5.他の人とつながる
お気に入りのアカウントが見つかったら、フォローして今後の投稿を受け取れるようにするのがおすすめです。また、投稿にコメントしたり「いいね」したりすることで自分の意見を共有することができます。
ソーシャルメディアSNSによっては個人的なメッセージがやりとりできることもあり、メッセージングサービスのような形で利用することができます。見知らぬ人とのやりとりは危険を伴うこともありますので、メッセージ交換の利点や問題点をしっかり把握した上で行うのが重要です。
【ポイント】見知らぬ人からのプライベートメッセージは、詐欺の可能性もあるので注意
ソーシャルメディアまとめ
ソーシャルメディアは、利点と問題点が共存するサービスです。他人とつながることによるメリットも大きいですが、利用の仕方によっては悪影響を被ることもあります。SNSとの違いやメリット・デメリットをよく把握した上で利用するようにしましょう。
マーケティングに利用する場合には、SEO対策が必要となる場合もあります。SNSをビジネスに役立てるためには、各種マーケティング手法の記事も合わせてご覧ください。