Instagram(インスタグラム)は12億人ものユーザー数を誇る世界で最大級のソーシャルメディアです。写真やビデオを共有できるだけでなく、世界で起きている出来事についても知ることができます。インスタグラムは依然として全ての年齢層に人気である点が他のソーシャルメディアと比べて強みになっています。
この記事ではInstagramに関する70以上もの統計データを見ていきながら、この巨大なソーシャルメディアのネットワークについて徹底解説していきます。インスタグラムはどんな人が使っているのか、どれくらいのコンテンツがあるのかなど詳細に調べていきます。
Instagram – 主な統計
- インスタグラムは世界で4番目の規模をもつソーシャルネットワークで、14億4000万人ものユーザーが世界中にいる。
- インスタグラムは年5.47%の成長率で拡大し、主に18歳から34歳の年齢層に人気。
- インドはインスタグラムの最大のマーケットで、2億3000万人以上のユーザーがいる。同国ではTikTokが禁止されている。
- インスタグラムを使用する20%の時間がリールの視聴に費やされている。
- インスタグラムは年490億9100万ドル(約6兆8000億円)の収益を親会社でフェイスブック社(現Meta)にもたらしている。
Instagramのユーザー統計
- 親会社であるフェイスブック社によると、インスタグラムは世界で13億5000万人のユーザーを抱えています。ウェブトラフィックを分析した一部のデータによると月に23億5000万人ものユーザーがいるともされています。インスタグラムのネットワークには日に5億人以上のアクティブユーザーがいます。
- インスタグラムは世界で4番目の規模を誇るソーシャルネットワークです。その上にはフェイスブックとYouTube、WhatsApp(ワッツアップ)が君臨しています。
- インスタグラムのユーザーベースは年5.47%のペースで増えています。これは過去のペースより鈍化しており、2021年には16.35%の成長率がありました。
年 | アクティブユーザー数 |
2021 | 14億4000万人 |
2020 | 14億人 |
2019 | 12億8000万人 |
2018 | 12億1000万人 |
2017 | 10億4000万人 |
2016 | 8億3000万人 |
2015 | 6億1000万人 |
2014 | 4億9000万人 |
2013 | 3億5000万人 |
2012 | 2億1800万人 |
2011 | 1億1800万人 |
- 世界的にユーザーがインスタグラムに費やしている時間は月12時間です。これは国際的な統計データでみるとYouTubeやTikTok、フェイスブックよりも短いです。
- アメリカの成人は30.1分を毎日インスタグラムに費やしています。そのためインスタグラムは米国内で5番目に利用されているソーシャルメディアのアプリです。
- インスタグラムしか使わないというユーザーは0.2%のみ。82%のインスタグラムユーザーがフェイスブックを利用し、52%の人がTikTokも利用しています。
- 1億2700万人のアメリカ人がインスタグラムのアカウントを持っているとされています。そのうちの29%がインスタグラムからニュースを入手していると答えています。
- アメリカの成人がソーシャルメディアに費やす時間のうち17%がインスタグラムです。2019年には16.6%でしたが、この数値は今後さらに伸びていくことが予想されています。2024年にはアメリカの成人がソーシャルメディアに費やす時間の16.7%がTikTokでした。
- インスタグラムで最も人気だった写真が6120万“いいね”を獲得しました。これは2022年に行われたカタールワールドカップでアルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手が投稿した写真です。
Instagramユーザーの人口統計
- インドが最大のインスタグラムユーザー数を抱えています。インドは世界で最も人口の多い国ですが、2億3000万人のインスタグラムユーザーがいます。ただ、これは仁度全体の人口の16.4%にすぎません。アメリカは1億4330万人(人口の47%)で、ブラジルが次いで1億1350万人(人口の67%)の3位に位置しています。4位はインドネシアで8920万人(人口の46%)のユーザー数がいます。
- 61.6%のインスタグラムユーザーが18歳から35歳です。55歳以上は全体の5.7%しか占めていません。
- インスタグラムを利用する男女比はほぼ同等です。男性ユーザーが50.7%で女性が49.3%です。逆にフェイスブックとYouTubeは男性ユーザーが上回っています。
- アメリカではインスタグラムユーザーは高学歴高収入の傾向があります。43%のアメリカ人ユーザーが大卒で、年収10万ドル(約1400万)以上の成人の60%がインスタグラムを利用しています。これは全体の年収層のなかでも際立って高い数値です。
- インスタグラムは、中国以外のZ世代(1990年代中盤から2010序盤までに生まれた世代)に最も人気なソーシャルメディアです。特にインドやポルトガル、トルコでは人気なSNSアプリとなっています。
- Instagramを利用する主な理由は写真やビデオの共有やブランドに関する情報を入手、エンターテインメント目的です。全体として“トレンディ”や“クール”と感じる傾向にあります。
- 16歳から24歳の女性のうち23%はInstagramが一番人気のソーシャルメディアだと答えています。これは全体の年齢層のなかで最も人気なアプリです。25歳から34歳の女性のうち18%も同様にインスタグラムが最も人気です。
- トルコのユーザーは月に21時間Instagramを利用して世界で最長です。韓国の利用率は最も低く、月に6.1時間の利用時間です。
- アメリカの女性のうち60%がインスタグラムからニュースを入手しているのに対し、男性は47%です。黒人系、ヒスパニック系、アジア系のアメリカ人は白人系の人に比べておよそ10%低い数値でした。
Instagramで人気の投稿
- @leomessi – 6210万いいねを獲得(2022)。アルゼンチン代表のメッシ選手が2022年のFIFAワールドカップで優勝した際に投稿した写真。
- @world_record_egg – 5500万いいね(2019)。いいねの最多新記録を作る目的で投稿された、ただの卵の写真。2019年から2022年まで世界最多いいね記録を保持。
- @cristiano – 3280万いいね(2019)。サッカーのクリスチアーノ・ロナウド選手と彼の妻が双子を授かったことを報告する投稿。
- @xxxtentacion – 2930万いいね(2018)。米ラッパーのXXXテンタシオンが死去する前に投稿した最後の写真。
- @arianagrande – 2660万いいね (2021)。米歌手アリアナ・グランデと夫ダルトン・ゴメスの結婚式の写真。
- @kyliejenner – 2500万いいね(2021)。米実業家カイリー・ジェンナーが第二子妊娠を報告した投稿。
- @tomholland2013 – 2360万いいね(2022)。俳優トム・ホランドが投稿した3人のスパイダーマンがお互いを指差しあっているミーム画像。
- @kyliejenner – 2300万いいね(2022)。カイリー・ジェンナーが投稿した自分の娘と写っている新生児の息子の写真
- @billieeilish – 2290万いいね(2021)。米シンガーソングライターのビリー・アイリッシュが投稿した自分のブロンドの髪の写真。
- @leomessi – 2200万いいね(2021)。リオネル・メッシがフランスのサッカーチームであるパリ・サンジェルマンと契約してから初めて投稿した写真。
Instagramのストーリー統計
- 2019年を最後にInstagramはストーリーユーザーに関する統計データを公表していません。2019年時点では5億人のユーザーが毎日利用していました。これは毎月のアクティブユーザーの3分の1にあたります。
- Agorapuleによる調査では90%のインスタグラムユーザーがInstagramストーリーを利用しています。
- ストーリーを利用しているビジネス事業者の顧客維持率が高いことがわかっています。1日に5つのストーリーをあげると顧客維持率が70%上がります。
- インスタグラムのユーザーはビデオよりも写真の方をクリックする確率が高いです。ユーザーの50.98%がInstagramストーリーをクリックしています。
- ビデオのストーリーよりも写真のストーリーの方がアクセスが多いです。Social Insiderのリサーチによると5000か1万人のフォロワー規模になるとその差は顕著になります。
Instagramリールの統計
・フェイスブックとインスタグラムの両方で1億4000万のリールが毎日見られています。
・2020年以来、Instagramのリールを利用するユーザーが20%増加しました。2022年にはZ世代の96%がソーシャルメディア上のショートムービーで楽しんでいます。
・インドではInstagramのリールはTikTokよりも人気です。リールがGoogle検索において54%のシェアを有しているのに対し、TikTokは46%です。また、インドではTikTokが禁止されていることも要因として考えられます。
- インスタグラムのユーザーは1日にリールを20回シェアしていることがわかっています。2023年4月までの6ヶ月の間でリールのシェア率が2倍になり、メタ社によると急成長の要因としてコンテンツのフォーマットが挙げられるとしています。
- リールはインスタグラムにおける時間の20%以上を占めています。
Instagramの広告統計
- インスタグラムの投稿へのエンゲージメント率は平均で1.94%です。これは動画、特にリールになると高くなります。
- ビジネス事業者になると平均のエンゲージメント率は0.54です。1万人以下のフォロワーがいる中小企業になると0.76%の平均エンゲージメント率となります。
- インスタグラムユーザーの90%が少なくとも1つのビジネスをフォローしています。インスタグラム上にブランドをあげると月平均0.98%の割合でフォロワーが増えます。
- ユーザーの35%がInstagram上で商品を購入しています。アメリカでは4750万人がインスタグラムを通して買い物をしました。
- Instagram広告はますます高くなっています。1000インプレッションごとのマーケティングコストは2022年で17%上昇しています。
- メタ社はプラットフォームごとの広告収入を割り出していませんが、2023年第1四半期では280億ドルの収益がインスタグラムを含む広告収入によるものでした。
Instagramの収益統計
- インスタグラムは2010年にシードラウンドによる資金調達に成功。これにより50万ドルの資本をベンチャーキャピタル企業のAndreesen HorowitzとBaseline Venturesから投資されました。
- Instagramはメタ社(旧フェイスブック)が親会社。当時のフェイスブックが2012年にInstagramを10億ドルで買収。当時のハイテク業界で史上最高額の買収金額となりました。
- LinkedInによると2万2000人の人がInstagramで働いているとされています。2012年にフェイスブックが買収した際にInstagramで働いていた人は13人しかいませんでした。
- Instagramが2022年に499億1000万ドルの収益を生み出しました。2021年には426億8000万ドル、2020年には280億8000万ドルでした。
年 | 収益 |
2022 | 499億1000万ドル |
2021 | 426億8000万ドル |
2020 | 280億8000万ドル |
2019 | 194億ドル |
2018 | 41億3000万ドル |
2017 | 18億1000万ドル |
- Instagramの収益の大部分はアメリカです。2022年には米国内のマーケットで332億5000万ドルの広告収入をあげ、これは全体収益の66%の割合です。
- 2022年Instagramストーリーが159億5000万ドルの収益を上げました。全体の30%以上を占める割合です。
- Instagramは2018年時点で1000億ドルの時価総額となりました。現在ではメタ社の時価総額はフェイスブックとInstagram、WhatsAppを含み5460億ドルとなっています。
- メタ社の2023年第1四半期の収益は286億4500万ドルで前年比3%の増益となっています。ビジネス全体のマージン率は25%で、四半期ごとの収益は57億ドルです。
Instagram対競合他社
ソーシャルメディアのプラットフォーム | TikTok | Snapchat | |||
ユーザー数 | 14億4000万人 | 29億6000万人 | 3億6800万人 | 12億人 | 7億5000万人 |
年収益 | 499億1000万ドル | 1168億ドル | 52億ドル | 94億ドル | 46億ドル |
年成長率 | 5.5% | 1.75% | -4% | 15% | 18% |
アメリカ人ユーザーの割合 | 47% | 71% | 23% | 41% | 40% |
- “何かおもしろいもの”を探しているとき、Instagramは2番目に利用するプラットフォームとなっています。1番目はTikTokで18%の開きがあります。
- 他者とシェアするにはInstagramがソーシャルメディアの中で1位のアプリとなっています。2位にフェイスブックで、その次にスナップチャットがランクインしています。
Instagramの歴史
- Instagramは2010年にサービスが開始されました。アプリは元Google社員のケヴィン・シストロムによって開発されました。当初はBurbnと呼ばれ、ユーザーは位置情報を確認や投稿の計画、写真の共有などができるサービス内容でした。
- InstagramはBaseline VentruesとAndreessen Horowitzのベンチャーキャピタル企業からシードファンディングの投資を受けました。スタートアップ資金として50万ドルが融資され、シストロムはフルタイムでInstagramに携われるようになり、当社のソフトウェアエンジニア第1号となりました。
- Instagramのアプリは2010年10月6日に発表され、初日で2万5000人のユーザーを獲得、3ヶ月で100万人のユーザー数を突破しました。
- Instagramは700万ドルのシリーズAファンディングに成功。スタートアップ企業だったInstagramは2500万ドルの評価額となります。Twitter社が5億ドルの株式払いによる買収を提案しますがシストロムが拒否しました。
- Instagramのアンドロイドアプリが2012年4月に発表。アンドロイドユーザー100万人によって即座にダウンロードされました。現在までにInstagramは2500万人以上のユーザー数がいます。
- 2012年、フェイスブック社がInstagramを買収。買収額は10億ドルの現金払いと株式払いで、当時のハイテク企業として最高の買収金額となりました。
- 2012年にInstagramが動画機能を追加。ユーザーは動画を共有したり最大15秒の長さにまで編集したりできるようになりました。また、同じ頃に動画広告も開始されました。
- 2016年にストーリー機能が開始されました。これは数秒で消えてしまう写真や動画の投稿サイトであるスナップチャットに対抗したサービスでした。
- 2018年、ケヴィン・シストロムがInstagramを退社。シストロム氏は共同創業者でエンジニアのマイク・クリーガー氏とともにInstagramを去りました。
- 2020年、Instagramがリールを開始。新しい動画機能はTikTokに対抗するためにデザインされました。
Instagramに関する面白い事実
- Instagramの名前は数回変わっています。当初はBurbnと呼ばれていましたが、その後Codenameに変更され、最終的にInstagramとなりました。これは“インスタントカメラ”と“テレグラム(電報)”を混ぜた造語で、サービス開始前に決定しました。
- マーク・ザッカーバーグ氏はInstagramの買収で評価されました。ザッカーバーグCEOとフェイスブック社は、当時13人のスタッフと3000万人のユーザーしかいなかったスタートアップ企業のInstagramを10億ドルで買収することにします。今日ではInstagramは1000億以上の時価総額があると見積もられており、買収に動いた競合他社は少なかったためザッカーバーグ氏はハイテク産業の歴史で最も先見の明がある投資だったと評されています。
- 最初のInstagramの投稿はマイク・クリーガーによってされました。クリーガー氏はケヴィン・シストロム氏とともに共同創業者ですが、2010年7月にサウス・ビーチ・ハーバーの写真を投稿したのが最初とされています。