ジェフ・ベゾス氏が両親のガレージで始めたオンラインの本屋が今や世界最大のオンライン小売プラットフォームとなっています。Amazon(アマゾン)は地球上で最も顧客中心の企業になるという企業価値を忠実に守っていることが大きな要因です。

アマゾンは4つの原則に導かれています。それは、競合他社ではなくカスタマーを中心に考えること、開発への情熱、オペレーショナル・エクセレンス(事業活動の効果・効率を高めること)、長期的思考などで、アマゾンはこれからも多くの分野を革新していく勢いです。この記事では90以上にわたるAmazonに関する統計データを見ながら、Amazon(アマゾン)について徹底解説をしていきます。

目次

Amazonの主な統計データ

  • Appleやマイクロソフトなどのブランドを凌駕し、アマゾンは2023年3月現在で最も価値のあるブランドとなっています。
  • 時価総額は1兆1300億ドルで、2023年3月時点では世界で5番目の価値を誇る企業です。
  • 2022年の赤字ののち、2023年の第1四半期は32億ドルの純利益を計上しました。
  • 2022年6月現在、アマゾンはアメリカのeコマース市場の37.8%を占め、アメリカ国内で1位のネット通販会社の地位を築きました。
  • Amazon.comは米国内で最も訪問者が多いオンラインショップのウェブサイトで、世界で14番目に訪問者が多いウェブサイトです。

Amazonの歴史

1995年に創業してからAmazonは世界で有数の大企業へと成長しました。ハイテクの巨大企業となった今日は、40以上もの子会社を有しており、本からオーガニックの食材、クラウドサービスまで幅広い事業に手を広げています。以下ではAmazonがマーケットにおいて独占的な地位を占めるに至った経緯についておさらいしていきます。

  • 1994年 – AmazonがCadabraの名前のもとジェフ・ベゾス氏によってワシントン州ベルビューで法人化。
  • 1995年 – ベゾス氏が会社の名前をCadabraからAmazon(アマゾン)に改名。800万ドルの資本金を元手に7月16日にオンライン本屋として開業。
  • 1996年 – Amazonがデラウェア州で再び法人化。書籍の販売のみによる収益は1500万ドルでした。
  • 1997年 – Amazonが上場。150万人以上のユーザーを獲得し1億4780万ドルの収益をあげ、838%の増収となりました。
  • 1998年 – Amazonが映画・ドラマの情報サイトIMDbを買収。国際的な事業に乗り出します。
  • 1999年 – Amazonが音楽や動画、電化製品、おもちゃなどのカテゴリーに拡大しました。ジェフ・ベゾス氏は米タイム誌が選ぶ“パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)”にオンラインショッピングのチャンピオンとして選ばれました。
  • 2001年 – Amazonがインターネットバブルを生き延びました。
  • 2002年 – アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を開始。
  • 2004年 – Amazonが中国のオンラインショッピングサイトJoyo.comを買収。
  • 2005年 – AWSとAmazonフルフィルメントプログラムによって第三者の販売事業者が商品の発送をAmazonに委託できるサービスが開始。
  • 2006年 – Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)のサービス運用が開始。

Amazon社(アマゾン)の推移と統計

  • 2007年 – Amazonが電子書籍のキンドルと決済サービスのAmazon Pay、Amazonフレッシュ、Amazonミュージックのサービスを開始。
  • 2008年 – Amazonがオーディブルを買収。リーマンショックによる景気後退のなかでAWSへの投資を倍増させました。
  • 2009年 – Zpposを12億ドルで買収。
  • 2011年 – Amazonアプリストアとインスタント・ビデオサービスを開始。
  • 2012年 – Amazonがロボット企業のキバシステムを7億7500万ドルで買収。
  • 2013年 – Amazonが読者コミュニティサイトのグッドリーズを買収。また、インドでもサービス開始。
  • 2014年 – AmazonがストリーミングサービスのTwitchを買収し、Kindleファイアのサービスを開始。
  • 2015年 – Amazonビジネスのサービス開始。法人・個人事業主向けのオフィス用品などを提供するプラットフォーム。
  • 2016年 – Amazonプライムビデオが世界でサービス開始。
  • 2017年 – 134億ドルでAmazonがホールフーズを買収。
  • 2018年 – 完全自動化したコンビニチェーンのAmazon Goを開始。また、オンライン薬局市場を獲得するためピルパックを買収。
  • 2019年 – Amazon25周年。Amazonケアのサービスを開始し、米EVメーカーのリビアンと10億ドルの契約を結びました。
  • 2020年 – プライムメンバーにフルオンライン薬局サービスのAmazonファーマシーを開始。値段設定に透明性が高く、定期購入が簡単にできます。
  • 2021年 – ジェフ・ベゾス氏がCEOを退任し、アンディ・ジェシー氏に交代。
  • 2022年 – Amazonケアから撤退。プライムのテレビ番組と映画コンテンツを拡充するためMGMを85億ドルで買収。
  • 2023年 – Amazonがサブスク医療サービスのワンメディカルを買収し、RXpassのサービスを開始。月額5ドルで60種類のジェネリック医薬品の配達が無制限で受けられます。

Amazonの投資統計

25万ドルの初期投資がAmazonの旅の始まりだった

ジェフ・ベゾス氏は会社立ち上げ当初、両親から資金提供を受けました。ベゾス氏は資金が失われる確率は70%と両親に伝えましたが、二人はベゾス氏に全財産の貯金である25万ドルを提供しました。

外部の投資家から100万ドルの資金調達に成功

100万ドルの資金の中にはエンジェル投資家からの3万から5万ドルの小切手なども含みます。これらのエンジェル投資家のなかにはNick Hanauer氏やEric Dillon氏、マドローナベンチャーグループのTom Alberg氏などがいて、後にアドバイザーとして取締役会にも参加することになります。

1996年、シリーズAのファンディングラウンドで800万ドルの資金を調達

上場前に行われた唯一のファンドラウンドでアマゾンはCaufield & ByersのKliner Perkins氏から株式13%にあたる6000万ドルの投資を受けました。

1997年、Amazonが上場。1株あたり18ドルの価格でIPO(株式公開買い付け)を実施

アマゾンは1997年5月15日にIPOを行い、公開買い付け価格は18ドル、もしくは株式分割0.075ドルでした。

1998年4月27日に1対3の株式分割を発表

Amazon(アマゾン)の株式チャートの統計

株式分割は同年12月18日時点の株式保有者を対象に1999年1月5日に実施されました。

1999年6月21日に1対2の株式分割を発表

同年9月1日に分割は同年8月12日時点の株式保有者を対象に実施されました。同年12月にはAmazon社の価値はIPO価格の50倍と上昇しました。

2001年、Amazon初の黒字化

ITバブルが崩壊したものの、大方の予想に反してアマゾンが初めて黒字を計上しました。

2018年3月、Amazonは米国で2番目評価額の高い企業となる

2002年から2004年の間にアマゾンの株価が年々安定的に上昇し、40万ドルの大台を突破しました。2015年をすぎるとAI(人工知能)やクラウドコンピュータの分野にもビジネスを拡大したことからアマゾンの株価が急騰しました。Googleの親会社であるアルファベットとマイクロソフトを追い抜いてアマゾンの株価は81%上昇し、1株あたり1586.51ドルをつけ、時価総額が7680億ドルとなりました。

2018年9月、Amazonの時価総額が初めて1兆ドルを突破

2018年に1兆ドルをつけたあと、2019年第4四半期の好成績を受けて2020年2月上旬再び1兆ドルをつけることになります。2020年4月になるとコロナ禍のロックダウンによる巣ごもり消費の需要からアマゾンの株価は過去最高値の2283.22ドルをつけました。

2022年3月9日、Amazonが20対1の株式分割を発表

株式分割は同年6月3日に同年5月27日時点の株式保有者を対象に実施され、アマゾンの株式が増加しました。これによりアマゾンの株価は1株あたり2447ドルから122ドルに変わりました。

Amazon(アマゾン)の風力発電所

2022年にAmazonの時価総額が1兆ドル以上減額

2022年の時価総額ではアマゾンは最大の負け組でした。これは中央銀行が利上げに走ったことで世界的な金融引き締めが起きたことが原因で、アマゾンは1兆ドル規模の時価総額減額をした初めての企業となりました。時価総額は2021年7月の1兆8800億ドルから2022年11月には8790億ドルにまで下落しました。

2023年1月IPO後のローン貸付で80億ドル調達

アマゾンによると、DBS銀行とみずほ銀行が融資し、トロントドミニオンがローンの管理代理人として仲介したとのことです。

2023年4月28日、Amazonが1兆1300億ドルの時価総額に到達し、株価が109.812ドルをつける

これはアマゾンの2023年第1四半期が上方修正したことに伴いました。

Amazonのビジネス統計

アマゾン本社はワシントン州の都市シアトルとバージニア州アーリントンにあります。オンラインショップのプラットフォームとしてビジネスを始めたAmazonですが、今やAIやクラウドコンピューティング、家庭用電化製品、デジタル配信、エンターテインメントなど幅広い分野でビジネスを拡大しています。

Amazonは1500万平方フィートものスペースに175箇所以上のフルフィルメントセンターがある

アマゾンのフルフィルメントセンターは在庫の保管や100以上の国と地域に配達するための要です。多くのセンターではサッカーコート28面分の広さを確保しており、いつでも1万個もの商品を保管することができます。Amazonは300億ドル以上ものフルフィルメントのネットワークとテクノロジーに投資しており、顧客の満足度をあげるために投資し続けています。

2022年12月31日現在、Amazonは北米市場に611もの実店舗を構えており、世界では32の実店舗がある

2021年には北米だけで672店舗ありましたが、AmazonブックスやAmazon 4-Starなどを含む68店舗が閉鎖されました。

AmazonアマゾンGoのウェブサイト画面

2023年、アメリカ国内だけで146万人がAmazonに雇用されている

2022年の時点でAmazonは150万人の従業員を抱える米国内で2番目に大きな雇用者でした。

2023年第1四半期の時点で、Amazonは米フォーチュン誌が選ぶ世界で最も称賛される企業に7年連続で選ばれた

年間ランキングはトップの経営者とアナリストによって選ばれます。選ばれる企業は、マネジメントや製品の質、CSR(企業の社会的責任)、才能を惹きつける魅力があるかなどの観点から評価されます。

2023年第1四半期ではビジネスコストが5010億ドルに増加。2021年には4449億ドルで2020年には3631億6000万ドルだった

これは2021年と2022年の前年比で12.62%の増加率です。マクロ経済的にはインフレや金利の上昇、金融相場の不安定かなどがアマゾンの2022年におけるコストをあげたことが要因として挙げられます。その他の要因としては需要が通常の範囲に落ち着きを取り戻したこと、フルフィルメントのネットワークのコストが上がったこと、送料や賃金の上昇があります。

Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)のウェブサイト

2023年4月現在、Amazonは100以上の企業を買収した

長年にわたってアマゾンは多くの有益な買収を繰り返してきました。アマゾンが行った巨額の買収には以下のものがあります。

  • One Medical(2023年 39億ドル)
  • MGM(2022年 85億ドル)
  • ホールフーズ(2017年 137億ドル)
  • Zappos(2009年 12億ドル)
  • Ring (2018年 最大10億ドル)
  • Twitch (2014年 9億7000万ドル)
  • キバシステム(2012年 7億7500万ドル)

Amazonは123もの企業や分野に投資を行なっている

最近ではGilbaneがアマゾンから1600万ドルの資金調達に成功しています。さらにアマゾンの資本的支出は554億ドルで、2021年と2022年はそれぞれ583億ドルでした。これはアマゾンがテクノロジー・インフラストラクチャやAWSへの先行投資、フルフィルメントのネットワークをサポートする事業などに引き続き投資していることが要因となっています。

Amazon製品の統計

アマゾンは商品の販売や転売、第三者の出品などができますが、アマゾン社が独自に電化製品やメディアコンテンツ、その他諸々も取り扱っています。アマゾンは同社の製品やサービスを以下のようにグループ化しています。

  • Amazonストア
  • 配送とロジスティク
  • 端末とサービス
  • アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
  • エンターテインメント
アマゾンのポートフォリオ 製品・サービス
Amazonストア ・Amazon.com

・Amazonプライム

・Amazonミュージック

・Amazon Go

・Amazon Go Grocery

・Amazon フレッシュ

・ホールフーズマーケット

・Amazonスタイル

配送とロジスティク ・Amazonフルフィルメント

・アマゾン・エア

・ラストマイル配送

・プライム・エア

端末とサービス ・Echo

・Fireタブレット

・Kindle

・Fire TV

・Ring

・Blink

・Eero

・Halo

・Luna

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS) 幅広いテクノロジーや産業、ユースケースに向けた機能的なサービスが200以上
エンターテインメント ・Amazon Games

・Amazonミュージック

・Amazonスタジオ

・オーディブル

・プライムゲーミング

・プライムビデオ

・Twitch

Amazonストアの統計

Amazon.com

2023年3月には24億人以上の人々がAmazon.comを訪問し、米国では最も訪問者の多いeコマースのサイトとなっており、世界では14番目に訪問されているウェブサイト

2023年3月にはアマゾンのウェブサイトにはデスクトップとモバイル端末から24億人もの利用者が訪れました。これは2023年1月から25億人少ないです。

Amazonは売り上げの60%が第三者の出品販売

このうち、およそ200万が中小規模の事業者です。

2022年現在、1970万のユーザーがアマゾンのアプリを利用している

2022年の時点で毎月1970万人のアクティブユーザーがAmazonアプリを利用しています。Amazonアプリはアメリカで人気なショッピングアプリの一つで、多くのユーザーが少なくとも月に1度利用しています。

Amazon prime・アマゾンプライムのウェブサイト

2023年2月、Amazonはバリューとセレクションの多さで全米の顧客満足度指数で1位に輝いた

Amazonは2023年2月に発表された全米顧客満足度指数において、セレクションとバリュー、オンラインショッピング体験で初めて1位に選ばれ、オンラインカスタマー満足度で2位に選ばれました。

Amazonアソシエイトは世界のアフィリエイト市場における35.7%を占めている

Amazonのアフィリエイトプログラムは最大10%のコミッションと35%のアフィリエイト報酬が年間2万ドル以上稼げます。

2022年の時点で42店舗以上のAmazon Goの店舗があった

Amazon Goの実店舗は2018年にコンビニ店舗として開業しました。主にアメリカとイギリスで展開し、客が店員の接客を必要としないつくりでした。

Amazon Goの店舗

Amazonプライム

2022年にはプライムメンバー数が2000万人を突破

Amazonプライムは22カ国で利用可能で、世界で2000万人もの人がプライムをサブスクしています。全体のユーザーのうち1680万人がアメリカです。平均ではプレイムユーザーは年1400ドル(約20万円)を費やしており、2022年第4四半期ではアマゾンのサブスクによる収益が13%増加しました。

実店舗

2022年にはAmazonの実店舗の純利益はおよそ190億ドルに上る

2021年の170億ドルから増加しました。AmazonフレッシュやAmazon Go、Amazonブックス、Amazon 4-Star、Amazon Pop-upなどの店舗を含みます。

Amazonスタイルのウェブサイト

Amazonミュージック

Amazonミュージックは2023年の市場で8.2%の割合を占める

アメリカのデジタルミュージックユーザーの20%がAmazonミュージックを利用しています。Amazonプライムのメンバーは1億曲の音楽が追加料金なしで楽しむことができることから、ユーザー数は2019年から2021年の間で増えました。

配送とロジスティックの統計データ

フルフィルメント

2023年第1四半期には2600万人近くのユーザーが当日配送で商品を購入。前年から50%の増加

アマゾンは便利な配送オプションと幅広い商品のセレクションをユーザーに提供するポリシーを忠実に守っています。

2023年4月時点で10億個のパッケージがロボットシステムのRobinによって処理されている。Robinは米国、カナダ、ヨーロッパのアマゾンのネットワークで導入されている

Rboin robotic systemsはスマートコンピュータのテクノロジーを駆使し、従業員がユーザーの商品を仕分け、整理しやすくしてくれます。Robinの導入により反復作業が減少し、従業員の作業が簡易化されました。

2022年にはAmazonフルフィルメントのコストが前年比で12%増加

Amazonフルフィルメントのコストは2022年には843億ドル以上に上りました。

Amazonフルフィルメントのウェブサイト

2022年には商品の64%がフルフィルメントby Amazon(FBA)を利用

ますます多くの商品がオーダーを発送するためアマゾンの物流システムを利用しており、22%以上が在庫管理から発送、カスタマーサービスまでFBAを利用しています。

Buy with Primeでの購入が第三者による出品のコンバージョン率を25%増加させた

Buy with Primeは出品者のコンバージョン率をあげ、発送を簡単にするためにサービスが開始されました。全てのアメリカの商品ではBuy with Primeが2022年に導入され、ユーザーの第三者のショッピングサイトにおけるコンバージョン率が即座に向上しました。

Amazonエア

Amazonエアは110便以上のフライトが世界70拠点を飛んでいる

アマゾンは2016年に米国内でAmazon エアのサービスを開始し、30便以上のボーイングの飛行機が飛んでいます。Amazonは数百万ドル規模の投資を空輸によるロジスティックに行なっており、2023年1月にはインドがアマゾンの運送サービスにおける第3位のマーケットとなりました。

端末とサービスの統計

AmazonはIoT市場で最大級の企業の一つ

アマゾンはAIだけでなくAmazon Echo、アレクサ、Ringインドアカムなどの商品開発にも投資を続けており、IoT(モノのインターネット)の産業において優位な位置を築いています。

Amazon Echoは2022年に820万台売り上げ

Amazon Echoは最も人気なスマートホームハブの端末で、2025年位は世界での販売数が1億3000万台に上ると見られています。

Amazonアマゾンミュージックのウェブサイト

2023年4月時点でAmazonはRingの機能を充実・向上

Ringのインドアカムは高画質HDビデオと省エネ機能を改善させ、簡単に設置しやすくなりました。

2023年第1四半期でFire TVの世界販売台数が2億台突破

アマゾンはFire TV2シリーズとOmni QLEDシリーズの新サイズにおけるテレビラインアップ拡充に力を入れています。またドイツとメキシコ、イギリスでアマゾンが製造したテレビの販売も始めました。

AmazonのKindleホワイトペーパーとKobo Libra 2が2022年人気の電子書籍端末

アマゾンは少なくとも4億8700万台のKindle書籍を販売し、eブックマーケットの67%を占めています。Kindleアンリミテッド読み放題を含むとアマゾンの米国における電子書籍の割合は83%にも上ります。

Amazonエンターテインメントの統計

Amazonオリジナルやプライムビデオ、オーディブル、Amazon Games、Twitch、Amazonミュージック、プライムゲーミングなどワールドクラスのエンターテインメントが提供されています。

Amazonオリジナル

2023年第1四半期ではAmazonオリジナルドラマの『デイジー・ジョーンズ&ザ・シックス』が世界のプライムビデオで初登場第1位となった

また登場24時間でサウンドトラックはアマゾンで第1位となり、原作となった小説もアマゾンのベストセラーリストで第1位となりました。

Amazonプライムビデオ

2022年7月現在、AmazonプライムビデオはNetflix、Disney+に次いで3番目に最もダウンロードされているストリーミングアプリ

本稿執筆時点では急速に拡大しているビデオ・オン・デマンド市場で2位の地位を占めています。今後もDisney+やHBO Max、Paramount+など新規参入が見込まれる中Amazonプライムビデオは右肩上がりで伸びていくことが予想されています。

Amazonプライムビデオは2022年半ばで2番目にクオリティの高いオリジナルコンテンツを揃えており、HBO MaxやDisney の先を進んでいる

アマゾンは常にテレビ番組や映画のセレクションを増やしています。プライムビデオでは『ロード・オブ・ザ・リング』のドラマ版第1シーズンが世界中で1億人以上の視聴者を獲得しました。過去のプライムビデオのコンテンツよりも240億分もの視聴時間を獲得し、プライムに登録するユーザーが世界中で増えました。またプライムビデオは米映画雑誌バラエティが選ぶ2022年のプライムタイムのテレビ番組トップ100にもストリーミングサービスとして史上初めて選ばれました。

Amazonプライムビデオで映画が最も人気なコンテンツ

MGMスタジオを2022年に買収するとAmazonのライブラリーには4000以上の映画作品と1万7000以上の作品のテレビ番組が追加されました。

プライムビデオは2027年までに2億5000万人のサブスク登録者を世界で獲得すると見込まれている

2020年時点でおよそ2億人のユーザーがAmazonプライムに登録していると見積もられています。アマゾンが継続して高クオリティのコンテンツ制作に投資していけば、登録者数は伸び続けることが予想されています。

Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)の登録画面

Amazonのコンテンツ製作費は2026年までに184億ドルに達すると見込まれている

Netflixなどの強力な競合他社と太刀打ちするために、アマゾンはオリジナルシリーズの製作と宣伝費に何万ドルもの資金を投じています。

オーディブル

2022年時点でAmazonオーディブルのオーディオブック市場におけるシェアは、米国で63.4%を占めている

オーディブルのプラットフォームは1万以上もの作品を年間に製作しており、Amazonの書籍販売における10%の収益を占める。

Twitch

2022にTwitchが258万人の平均同時視聴者数を獲得

Twitchは2022年に1億4000万人の毎月ユニークビジターを獲得しました。Twitchのアプリは1億回以上ダウンロードされ、ユーザーは224億時間ものコンテンツ再生時間を記録しました。

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の統計

AWSはスタートアップの零細企業から大きな政府機関、学術機関まで幅広い企業や団体にサービスを提供しています。AWSはクラウドベースのグローバルな製品を展開しています。

  • ストレージ
  • データベース
  • アナリティクス
  • ネットワーキング
  • モバイル
  • デベロッパーのツール
  • マネジメントツール
  • IoT(モノのインターネット)
  • セキュリティ対策
  • マシンラーニング(機械学習)
  • エンタープライズアプリケーションズ(EA)

AWS(Amazon・アマゾンウェブサービス)の公式画面

2023年4月27日にAmazonがマレーシアに新しいAWSリージョンを開設することを発表。その次にはオーストラリアにAWSリージョンを設置する

アマゾンはAWSのインフラストラクチャーの基地を世界中に広げていくことにしています。さらにAWSは以下のような顧客と事業を展開することを明らかにしています。

  • サウスウェスト・エアラインズは主要クラウドプロバイダーにAWSを選定
  • チューリッヒ・インシュランス・グループはITのインフラストラクチャをAWSに移行
  • BBVAはAWSを使って新しいファイナンシャルソリューションサービスを開始
  • ブロードブリッジのLTXプラットフォームが債権のデジタルトレードプラットフォームをAWSに統合
  • S&PグローバルがAWSと戦略的コラボレーションを発表
  • データクラウドのSnowflakeとAWSが共同で産業に特化したソリューションの構築に協力しあう
  • オンライン決済プラットフォームのStripeが事実上すべてのインフラストラクチャーをAWS上で運営する
  • オーストラリアのウエストパック銀行がAWSとのコラボレーションを拡大
  • 米携帯事業のT-Mobileが5GのソリューションズをAWSに統合
  • マーベルはエレクトロニック・デザインの自動化拡大のためAWSを利用
  • TELUSがAWSと連携して新しいスマート生活のソリューションを提案
  • イベルドローラはデジタリゼーションのためのクラウドプロバイダーにAWSを選定

AWSは年850億ドルの利益を生み出す

アマゾンによるとAWSは世界に30あるエリアのなかに96の利用可能ゾーンを有しており、今後15以上の利用可能ゾーンと5つのAWSリージョンを増やしていく考えです。AWSは3300以上の新しい機能とサービスを2022年に発表し、今後も追加していきます。2022年には620億ドルベースで前年比で29%成長し、まだ初期段階であるものの将来性の高い成績を収めている。

Amazonのセールス統計

2023年第1四半期にはアマゾンは32億ドルの純利益を計上した

2022年には27億ドルの経常損失を発表していました。

プロダクトとセールス統計

アマゾンは収益をプロダクトセールスとサービスセールスに分けています。プロダクトセールスは製品の販売と関連発送手数料、デジタルメディアコンテンツの販売などを含みます。一方、サービスセールスは第三者の出品者からの手数料や関連するフルフィルメントや配送からの手数料、AWSのセールス、広告サービス、Amazonプライムのメンバーシップ料金、その他デジタルコンテンツのサブスク料金などを含みます。

2023年第1四半期の純利益は9%増加し、前年同四半期の1164億万ドルから1274億ドルに増益

世界的な金融引き締めによる景気減速にかかわらず、アマゾンは2023年の第1四半期ですでに有望な将来像を見せています。2023年末までには1270億ドルから1330億ドルの純利益を見込み、5%から10%の成長率を予想しています。

Amazonの総セールスは2022年で9%増加

アマゾンのトータルセールスは北米、世界、AWSを合わせて4698億2000万ドルから5139億8000万ドルに伸びることが予想されています。サービスセールスはアマゾン全体の純利益の57.3%を占め、プロダクトセールスは全体の42.7%となっています。

全体の収益 前年比の成長率
2012 6109万ドル
2013 7445万ドル 21.9%
2014 8898万ドル 19.5%
2015 1億0700万ドル 20.4%
2016 1億3598万ドル 27.2%
2017 1億7786万ドル 30.8%
2018 2億3288万ドル 30.9%
2019 2億8052万ドル 20.5%
2020 3億8606万ドル 37.6%
2021 4億6982万ドル 21.7%
2022 5億1400万ドル 9.3%

セグメントごとのセールス統計

Amazonは北米市場、世界市場、AWSの3つのセグメントで収益を見ています。2023年4月27日に発表された四半期ごとのアマゾンの主要セグメントの統計データは以下の通りです。

  • 北米市場のセールスは前年比で11%増加の769億ドル
  • 世界市場のセールスは前年比で1%増加の291億ドル、為替変動抜きでは9%の伸び率
  • AWSのセールスは前年比で16%増加の214億ドル

2022年、北米販売がアマゾン全体純売上高の61.4%を占める

これは2021年から60%の上昇です。

2022年には北米市場の売り上げが13%上昇

2022年末までに売り上げが前年の2798億3000万ドルから3158億8000万ドルに伸びました。売り上げは販売個数と宣伝広告収入、サブスクリプションサービスの上昇が主な要因です。

2022年には世界市場がAmazon全体の純売上高の23%を占める

2021年から27%の下落です。

世界市場のセールスは2022年に8%の下げ

2022年には2021年の1278億ドルから1180億ドルに下がりました。

AWSのセールスは2022年のAmazon全体純売上高の16%を占める

2021年から13%の上昇です。

AWSのセールスは2022年に29%増加

販売成長率は主に顧客の利用状況の増加や料金体系の変化、長期契約などによります。

純売上高 総利益(2021) 総利益(2022) 前年比
オンラインストア 2220億8000万ドル 2200億ドル -0.936%
実店舗 170億8000万ドル 189億7000万ドル 11.06%
第3者の出品販売 1033億7000万ドル 1177億2000万ドル 13.88%
サブスクサービス 317億7000万ドル 352億2000万ドル 10.86%
広告サービス 311億6000万ドル 377億4000万ドル 21.10%
AWS 622億ドル 801億ドル 28.77%
その他 21億8000万ドル 42億5000万ドル 94.95%

Amazonビジネスが全体セールスで約350億ドルの経済効果

フォーチュン誌が選ぶ100のグローバル企業のうち96社を含む600万人以上のアクティブカスタマーで、オフィス用品を求める事業者のためのアマゾンのワンストップショッピングソリューションは今後も成長することが見込まれます。

Amazonの広告収入が25%増加

アマゾンの広告費は急速に成長しており、2022年には広告業界が全体的に減速する中アマゾンは前年比で25%の増益を実現しました。

Kindleストアの画面

2022年には世界市場消費者が1180億ドルの収益をもたらす

イギリスは年平均成長率30%と最大で、次いでドイツの26%、日本の21%です。

Amazonの収益源の統計

アマゾンの経済報告によると、収益源は5つの主なカテゴリーに分類されます。

  • オンラインストア
  • 実店舗
  • 第三者の出品販売
  • サブスクリプションサービス
  • AWS

オンラインストアがAmazonの総収益の42%を占める

アマゾンの稼ぎ頭でもある収益源がオンラインストアで、これはプロダクトセールスやデジタルメディアコンテンツなども含みます。2021年に2220億8000万ドルだった収益は2022年に2200億ドルにやや落ちました。

実店舗がAmazonの総収益の3%を占める

実店舗のプロダクトセールスは2021年に11.06%の成長を見せ、170億8000万ドルの収益となり、2022年には189億7000万ドルに伸びました。

第三者の出品販売が総収益の22.9%を占める

第三者の出品販売ではコミッション費や関連フルフィルメントや配送料金、その他サービスなどの収益があります。2022年には前年比で15%の増加で、1033億7000万ドルから1177億2000万ドルの増収となりました。

FireTVの公式ウェブサイト画面

 

サブスクリプションサービスが全体収益の0.06%を占める

Amazonのサブスクサービスはプライムメンバーシップの年額・月額会員費やデジタルビデオ、オーディオブック、デジタルミュージック、電子書籍やその他AWSとは別のサブスクサービスなどを含みます。サブスクの収益源は2022年に10%の成長率となりました。

広告サービスが全体収益の0.07%を占める

広告サービスはスポンサー広告やビデオでの広告などを通して出品者や販売業社、出版社、著者などから広告収入を得ています。

AWSが全体収益の15.5%を占めている

アマゾンのなかで3番目に収益源が大きいAWSは2021年の622億ドルから2022年には801億ドルの増収となり、15%の伸び率となりました。

その他のサービスは全体収益の0.01%を占める

その他のカテゴリーはライセンシングや動画コンテンツの配信、配送手数料、Amazonに提携したクレジットカードによる収益などを含みます。全体の収益に対して割合は少ないですが、2022年には前年の21億8000万ドルから42億5000万ドルに94.95%の伸びを見せ、最大の成長率となっています。

Amazonの人口の統計データ

Amazonは2022年時点で3億人のアクティブカスタマーがいる

Similarwebの統計データによると、amazon.comのユーザーは男性が57.6%、女性が42.4%となっており、25歳から34歳が最大の年齢層となっています。これはミレニアル世代が最大のユーザーと言え、団塊の世代と比べると2対1の割合で多い。

90%の消費者がAmazonで価格をチェックする

価格をチェックする以外にも3分の1の消費者がアマゾンで新しい製品やブランドを見つけるとしています。消費者の半分がAmazonストアで知らないブランドを購入しても平気だと答えています。

Amazon・アマゾンのオーディブルの画面

オーディブルのユーザーが2700万人を突破

Similarwebによるとオーディブルのユーザーは男性が51.97%、女性が48.03%で、最大のユーザー層は2022年時点で25歳から34歳となっています。

Twitchは1日の平均訪問者数が3100万人以上

Twitchユーザーの65%が男性で、全体の70%が18歳から34歳の年齢層です。

Amazon・アマゾンの提供するTwitchの画面

若い年齢層ほどAmazonのビデオコンテンツを視聴している

2022年11月時点で、アメリカのおよそ54%のZ世代と3人中2人のミレニアル世代がAmazonプライムビデオを少なくとも1回は見たことがあると答えています。

AWSは100万人以上のアクティブユーザーがいると考えられているが、Amazon社によって直接確認が取られていない

法人規模の顧客がAWSユーザーの10%を占め、残りは中小規模の事業者です。

Kindleアンリミテッドは300万人のサブスクユーザーがいる

アマゾンのサブスクベースの本配信サービスが同社の書籍売り上げに貢献しています。

Amazonミュージックはおよそ8220万人のユーザーがいる

そのうち4830万人がアメリカのリスナーです。

Amazon対競合他社の統計

Amazonは2023年4月の時点で世界で5番目に時価総額の高い企業

同年4月27日には時価総額がおよそ1兆1300万ドルに達し、世界で5番目に時価総額の高い企業となりました。時価総額トップ5は以下の通りです。

  1. Apple – 2兆5400億ドル
  2. マイクロソフト – 2兆900億ドル
  3. サウジアラムコ – 1兆8800億ドル
  4. アルファベット(Google)- 1兆3500億ドル
  5. アマゾン – 1兆1300億ドル

Amazonは世界で最もブランド価値の高い企業に

2023年3月時点でアマゾンがAppleを追い抜き世界で最もブランド価値の高い企業となりました。Appleのブランド価値は2975億ドルだったのに対し、アマゾンは2993億ドルでした。

世界のブランド価値の高い企業の棒グラフ

ハイテクの大企業としてAmazonはアメリカのビッグ5に入っている

メタ社やアルファベット、マイクロソフト、Appleと並び、アマゾンは市場を独占するアメリカのハイテク企業のひとつとなっています。ビッグ5やMAMAA、ビッグテックなどと呼ばれますが、株式相場ではアメリカで最も有望なテック企業とされています。

2022年6月時点でAmazonは全米eコマース市場で37.8%のシェアを誇る

Amazonはアメリカの中でも首位に立つオンラインショップです。Statistaによると2位はウォールマートのオンラインサイトで6.3%のシェアとなっており、次いでAppleの3.9%となっています。

Amazonは5つのプロダクトカテゴリーのうち90%以上を占めている

  • バッテリー(97%)
  • キッチン・ダイニング(94%)
  • リフォームツール(93%)
  • ゴルフ(92%)
  • スキンケア(91%)
収入源 主な競合他社
オンラインストア ・ライトインザボックス・ホールディングス

・Overstock.com

・VIPSHOP

・JD.com

・Wayfair

・Etsy

実店舗 ・Best Buy

・コストコ

・ターゲット

・ウォールマート

・Big Lots

第三者の出品販売 ・eBay
サブスクリプションサービス ・Netflix

・Apple

・Google

AWS ・Oracle

・マイクロソフト

・IBM

・アリババ

Amazonのサステナビリティの統計

気候変動と戦うため、Amazonは2040年までにネットゼロの目標を掲げています。ここでは同社の主な活動を見ていきます。

2023年4月時点でAmazonは3年間再生可能エネルギーを買い取る大手企業

アマゾンは単独1社による1年間の再生可能エネルギーの売り上げの最高額を記録しました。アマゾンの再生可能エネルギーのポートフォリオは164の風力発電と太陽光発電、22カ国にわたる237の屋上のソーラー発電となっており、トータルで20ギガワットの出力となっています。これは米国内の530万世帯の電気をまかなえる量です。

 

Amazonの省エネに関するウェブサイト

2023年4月時点で、アマゾンは温室効果ガス削減の一環として電気自動車による配送を拡大しています。アマゾンは10億ドル以上をリビアンに投資し、2019年には10万台のEV配送車を発注しました。同社は2022年の夏からEV配送車を運用していき、現在までに数千台が実用化されています。

Amazonは2015年から100万トン以上の梱包資源を減らすのに成功

2015年からアマゾンは配送に使い梱包素材を36%減らし、20億個の配送箱に相当する100万トン以上の梱包素材の削減をしてきました。

Amazonのイノベーションデータ

アマゾンはあらゆるビジネス領域にイノベーションを起こすことに熱意を注いでいます。2023年4月27日の四半期情報では以下のように報告されています。

  • 新しいAWSツールを発表し、生成AI(人工知能)をどんな事業者でもより使いやすく、実用的に、安いコストで使えるようにする。
  • 補聴器メーカーのコクレアと連携し、耳が不自由な人のためにAmazonスマートTVからの音声を直接コクレアの補聴器に送信する。
  • 衛星通信サービスのKuiperプランを2024年までに商業ベータ版として運用する
  • カリフォルニア州から自動運転の許可を取得し、自動運転のロボットタクシーを一般利用者に向けて商業運用を開始する