インターネットの普及に伴い、ネットで買い物をすることが一般的になりました。買い物をするだけでなく個人でも商品を出品して副収入を得ることができるようになり、多くの人がECサイトを制作して個人で運営し、大きく稼ぐ時代となっています。

この記事では初めてでもわかるECサイトの構築方法やおすすめのECサイトの作り方や運営方法をわかりやすく解説していきますので、ECサイトの起業で失敗しないためにもこの記事でしっかりと基本を学びましょう。

ECサイトとは? 大きく改善した市場

ECサイトとは、eコマースの略称で、英語でElectronic Commerce(電子商取引)の意味です。主にインターネットを介した個人や企業の売買のことを指します。eコマースはパソコンだけでなくタブレットからスマートフォンなどの電子的なデバイスから利用できるのが特徴で、家電製品から本、音楽、航空券、さらには有価証券などの投資的金融商品なども購入することができ、これらもECの一部です。

最近では多くのECサイトを見つけることができますが、登場した当初は海外のECサイトでトラブルが起きたり偽物が出回ったりするなどの問題もありましたが、いまではECサイトの種類も爆発的に増え、ECサイトの品質も改善されています。企業だけでなく多くの個人事業者も自分でECサイトを立ち上げ、集客に成功して大きく収入を得ていることから副業としてECサイトの個人運営をする人も増えています。

ECサイトの作成方法(個人)

企業だけでなく個人でもECサイトを構築することができますが、法人と個人では事業規模や予算などが違うため、ECサイトの作り方も異なってきます。この記事では個人でECサイトを構築する方法を紹介します。

個人のECサイトの作り方は主に2つあります。

  1. ASP
  2. オープンソース

ASPのECサイト構築方法〜 無料で始められることも

ASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダーの略称で、簡単に言うと出来上がったアプリケーションそのものを提供してくれるサービスのことです。例えばGoogleの提供するGメールは同社が提供するメールサービスのアプリケーションであり、ASPのひとつと言えます。

ASPのECサイトのメリットは、利用者はECサイトの運営に集中することができることです。また、プロバイダーによっては無料でECサイトを構築できるサービスもあるため、初心者の方にはおすすめのECサイトの作り方とされています。

ASPでECサイトを制作するメリットとデメリット

ASPを利用するメリットは何といっても初心者が運営する上で始めやすい点です。またプロバイダーによっては無料でECサイトを作ることもでき、手軽に導入しやすく、費用も安いのが特長です。

ECサイトを自力で制作するとコーディングなどから大変ですが、ASPならテンプレートを利用して自分の好みに簡単にカスタマイズすることができます。

デメリットとしては既存のプロバイダーが提供するサービスを利用するため自分に似た競合他社が集まりやすいことにあります。既成のテンプレートの中から選ぶことになるため、競合他社と差別化するのが容易ではなく、場合によってはデザインが似てしまう可能性もあります。

さらには、自分流のオリジナルカスタマイズができなかったり、細かい点を変更できなかったりする可能性があります。さらには無料でECサイトの制作ができても選べるデザインが少なかったり機能が限定的だったりするリスクがあるのも注意が必要です。

有料版のASPでECサイト制作をすると初期費用や月額が数万円レベルでかかるため、ある程度の初期投資が発生することは覚悟が必要です。損失を出さないためにも起業の準備段階でしっかりとリサーチを行うことが大事になります。

ASPでECサイトを構築するメリット:

  • 手軽に導入しやすい
  • 無料でつくれるものもある
  • 費用も抑えられる

ASPでECサイトを構築するデメリット:

  • 競合他社が多い可能性
  • 細かいオリジナルカスタマイズができない
  • 無料版だとデザインや機能が限定的
  • 有料版は初期費用とランニングコストがある程度かかる

おすすめのECサイト制作プロバイダー・ASP

BASE(ベイス)でおしゃれなECサイトを作成するのにおすすめ

個人向けECサイトのBASEのウェブサイト

ASPのECサイトを構築してくれるサービスとしておすすめのひとつがBASE(ベイス)です。BASEはテンプレートの数が豊富で、デザインをカスタマイズできる自由度が高いのが特徴で、初めての人でも最短ルートでECサイトを作成できます。

「最小の力で、進め」をモットーにしているように、BASE AIアシスタント機能により、利用者は必要なことだけに集中してECサイトを立ち上げ、運営や集客に集中することができます。

スタンダードプランなら初期費用と月額費用は無料で、商品が売れた時だけに手数料を支払うだけで済むのでコストを安く抑えられるのも長所です。これまでショップ開設数は200万件以上とされているため高い実績と安いコストが多くの利用者を惹きつけている要因です。

STORES(ストアズ):アパレル向きのECサイトを作成するのにおすすめ

個人向けECサイトのSTORESのウェブサイト

BASEと並んでおすすめのASPのECサイトはSTORES(ストアズ)です。STORESは「自分だけの表現が驚くほどかんたんに」を強みにしており、豊富なデザインの数だけでなく豊富なカスタマイズ機能によって無限に近いデザインバリエーションを無料で利用できるのが特長です。

さらにデザインの拡張機能も豊富で、ECサイトの告知バナーや動画埋め込み、シール、ランキングなど簡単に追加でき、HTMLやCSSの知識がなくても誰でも直感的にショップのデザインができます。高い自由度とおしゃれなデザインから、STORESはアパレル系のECサイトを作成する人が多く利用しているとされています。

BASEとSTORES EC制作サイトの比較

BASEとSTORES2つのEC制作サイトを比較するとサービスは主に似ていますが、手数料や月額費などでSTORESの方が若干安いことがわかります。STORESの方が先にサービスを開始しましたが、後発のBASEは販売数量に制限を設けなかったことから利用者がSTORESからBASEに流出した経緯があります。現在ではSTORESも販売数量制限を無制限に拡大したことで、これらのEC制作サイトを比較しても両サービスとも現在のところ拮抗しているとされています。

オープンソースのECサイト構築方法:メリットとデメリット

オープンソースとは一般公開されているプログラムをインストールしてECサイトを構築することです。オープンソースでECサイトを作成する場合、APSのような既存のサービスを利用しないため自分でECサイトを構築することになります。そのため自分でプログラムコードを作れる技術やウェブデザインの知識と経験があれば自分独自のECサイトを作成することができ、高い自由度でオリジナルのデザインをもったECサイトが制作できるのが特長です。

オープンソースのメリット

他社のプラットフォームやデザインに頼る必要がないのでブランドマネジメントがしやすく、決済手数料なども発生せず、利益をすべて手に入れることができます。ECサイトの構築・開発から運営、販売まで全てを自分で一括管理できます。

大きなウェブサイトに成長したら商品販売の収入のほかにもオウンドメディアを設けて独自のマーケティング活動も自由にできるのも強みです。ASPでECサイトを作成するとプラットフォームの権限はそのASPの会社にありますが、自分がつくったECサイトならディスプレイ広告など汎用性が高いのも魅力です。このことからECサイトを運営する将来性を考えると大きく成長させるのならオープンソースで構築する方がメリットが高いと言えます。

オープンソースのデメリット

デメリットとしては自力で全て管理しなければならないため、準備段階で大きな労力と費用がかかることでしょう。ASPとは違って自分でサーバーを用意して管理する必要もあります。

また、ECサイトに不具合や障害があった場合は全て自社の責任になります。そのため自分のECサイトが原因で取引に不備が生じたり、最悪の場合損失が発生したりする場合は責任を負わなければならない可能性がありますので注意が必要です。

オープンソースでECサイトを作成するメリット:

  • 自由度が無限大
  • 開発から運営、販売まですべてを一括管理
  • ブランドマネジメントがしやすい
  • 手数料など外部へのコストが発生しない
  • マーケティングに利用するなど汎用性が高い

オープンソースでECサイトを作成するデメリット:

  • 全て自分の責任となる
  • サーバーを用意・管理する必要
  • 初期投資と労力がかかる

ECサイトの作り方 – 簡単ガイド

ここまで個人でECサイトを作成するにはASPとオープンソースの主に2種類があることを説明しましたが、以下ではECサイトの実際の作り方を簡単に解説します。

ここでは資金量の少ない個人にとって始めやすいASPでECサイトを制作する方法を紹介します。

1. ASPのプラットフォームに登録する

まずは自分の事業に向いていると思うASPを見つけ、そこに登録しましょう。

登録する内容は、自分が立ち上げたいECサイトのURLと自分もしくは会社のメールアドレス、パスワードなどです。URLは有料の独自ドメインと無料のサブドメインを選べることがあります。ブランド戦略の理由で独自ドメインを選ぶのも良いですが、ECサイトのSEOでいうと独自もしくはサブドメインによってSEOが有利になるとはされていません。

2. ECサイトをデザインする

ASPに豊富な種類のテンプレートがあるので、その中から好みのデザインを選び、カスタマイズしていきましょう。自分のブランドの世界観に合うもの作りつつ、競合他社と差別化できるデザインをするように心がけると良いでしょう。

3. 商品を登録する

自分の出品する商品名と価格、画像、商品紹介などを丁寧に入力していきます。ここでも競合他社と差別化できるように画像を魅力的にしたり、商品紹介を分かりやすくするなどの努力をするようにしましょう。

WordPressでECサイトを立ち上げられる?

上記ではオープンソースでECを立ち上げる方法を紹介しましたが、ホームページやブログを運営した経験のある方はWordpressを使ったことがある人も多いでしょう。

WordPressとは無料でサイトやブログの作成ができるソフトですが、「オープンソースとはWordPressでECサイトを作成することでしょ?」と思われた方は正解です。というのもWordPressも大きな枠組みでいうとオープンソースのひとつだからです。

ただWordPressで単純にECサイトを制作することにはリスクが伴い、一般的にはおすすめされていません。ECサイトのオープンソースはECサイト立ち上げに最適化されていますが、通常のWordPressはそうではないため決済機能などの拡張性を自分で独自に開発しなければならないからです。不特定多数の顧客の売買を扱うため、セキュリティも大事な問題となり、大きな責任となります。そのため通常のWordPressで簡単にECサイトを作って商品を売買することには大きなリスクが伴うため、一般の方にはおすすめされていません。

それでも「すでに固定ユーザーがいるから自分のブログやウェブサイトにECサイトを立ち上げたい」と考えている場合、Welcartを使うことで対応することができます。

WelmartでECサイトに集客効果

ECサイト立ち上げできるWelmartの公式ウェブサイト

WelmartはWordPress専用のネットショップ構築プラグインです。自分のWordPressのブログやウェブサイトにWelmartをプラグインとして追加することで、ネットショップに必要な商品登録・販売・注文管理などの機能を導入することができます。Welmartを使うことで既存のアクセス数をそのままECサイトに誘導することができるため、集客面で大きな効果があります。

ECサイトのSEO改善で効果的な集客

ECサイトの立ち上げは比較的簡単ですが、最も難しいのは集客です。商品をECサイトに登録したところで自動的に顧客が買ってくれるわけではありません。

SEOとは英語で“Search Engine Optimization”で「検索エンジンの最適化」と訳されます。Googleなどの検索エンジンに自分のECサイトが高く評価されるように自社サイトのSEOを最適化する努力が必要になります。

キーワード選び

ECサイトでSEOを改善するには、まずキーワードを考えましょう。例えばワイン専門のECサイトを立ち上げた場合、キーワードが「おすすめ 赤ワイン」だと膨大な数の検索結果が出て、自分のECサイトがトップの高評価を得るのは難しいです。そこで「赤ワイン 家飲み おすすめ」などのようによりキーワードを限定的にするとニッチな検索結果を探している人に見つけられやすくなります。このように競合が少ないキーワードを含むことをロングテールと言いますが、まずは自分の商品を表現するロングテールを探してみましょう。

販売終了には適切に対処

ECサイトでは商品やサービスの販売終了がよくありますが、売り切れた際にページをそのままにしてしまうとSEOの評価が下がってしまうことがあります。そのため、このときの対処の仕方でSEOが大きくつなげることが大事です。

販売終了後に再販の予定がある場合は、一時的な欠品であることを通知しましょう。再販予定がない場合はページを削除しないで訪れたユーザーに類似の商品を紹介することが推奨されています。また、大型のECサイトの場合、販売終了の場合はページを削除して404エラーを返すことも推奨されています。

とにかく商品切れやサービス終了の際はそのページを放置することは厳禁ですので、こまめなメンテナンスとアップデートをこころがけましょう。

これらの方法の他にもLineの集客コンテンツマネジメントによる集客も可能ですのでこちらも合わせて確認するようにしてください。

ECサイトの補助金

日本国内ではECサイトを構築するために国や地方行政から補助金を受けることができます。これは政府の中小企業支援が手厚くなっていることが背景にあり、IT導入による業務効率化や個人の所得倍増に力を入れていることが要因とされています。

ECサイトの立ち上げで利用できる補助金は4種類です。

  • 事業再構築補助金
  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 各地方自治体が支給するIT関連の補助金

いずれもECサイト作成に利用できるだけでなく、広告宣伝費などにも使えることがありますのでSNSマーケティングなどの費用にすることができる可能性があります。

また最小の補助金額は5万円から100万円とさまざまで、大きな補助額を受けることも可能です。これはECサイトで起業の資金調達のためにも大きなチャンスともなりますので、ECサイトの立ち上げを考えている方は創業補助金などと合わせてチェックするようにしましょう。

ECサイトの作り方・まとめ

この記事ではECサイトの作り方を解説し、効率よく構築できる方法や集客方法などについて徹底解説をしてきました。個人がECサイトを立ち上げるのはASPとオープンソースの主に2種類ありますが、自分の予算と事業内容、規模などを考慮して最適な方法を選ぶようにしましょう。

個人の起業の成功例を見るとECサイトで成功している事例も多いです。初めは副業として始めながらビジネスが軌道に乗ったら個人事業主として独立し、ゆくゆくは法人化できると大きな収入が見込めますのでECサイトを始めるには本記事を参考にしっかり起業のアイデアを考えるようにしてください。