Googleは、eコマースに従事する個人・企業向けにリスティング広告を提供しています。ディスプレイ広告とは違い、オンラインストアの売り上げを直接増やすことが可能なリスティング広告ですが、その仕組みや効果を把握している人は意外と少ないのではないでしょうか？
重要なマーケティング戦略として位置づけられるリスティング広告。今回はそのやり方や費用、運用代行についてまとめて紹介します。
リスティング広告とは？
リスティング広告とは、特定のキーワードでGoogle検索すると表示される広告のことです。宣伝したい製品の画像、リアルタイムの価格情報、レビューをまとめて表示できるため、ディスプレイ広告とは違いオンラインでの効果が非常に高いのが特徴です。
リスティング広告はクリック率が非常に高く、これは広告が検索結果の上位に表示されるためです。製品情報は常に更新されるため、一度広告を出せば手間がかからないのも魅力とされています。
広告は、Googleの「ショッピング」タブではさらに目立つ位置に表示されます。このため、商品の購入を検討している人から見込み客まで、幅広い層にアピールすることができます。Yahooのリスティング広告もありますが、運用効果や費用の面でGoogleが優っていると感じる人が多いようです。
デメリットとして、仕組みがやや複雑ということが挙げられます。そのため、リスティング広告は運用代行するというケースも多いようです。代行は費用がかさむため、自分でキーワード調査や広告文作成ができるという人は予算を抑えることができるかもしれません。
リスティング広告の仕組みを以下にまとめてみました。
- キーワード・・・リスティング
- 費用・・・リスティング広告費用は、クリック単価で概ね20〜200円程度とされています。自分で費用
リスティング広告は、オウンドメディアのようにコンテンツの準備がいらなかったり、すぐに消費者の目に触れるところに広告が出せたりと、すぐに効果を期待できるところが魅力的です。従って、すぐに結果を期待されているような状況には、もってこいの広告手法ということができます。
さらには、インフルエンサーマーケティングのようなパートナー探しがいらない点も、魅力の一つです。Googleをはじめとした広告先のプラットフォームで各種設定を済ませればすぐに開始できます。
リスティング広告やり方
リスティング広告のやり方を説明します。事前に必要なものとして【Gmailアカウント】【オンラインストアのURL】【ビジネスに関する情報（連絡先など）】が必要となりますので、初めて広告を出すという人は事前に用意しておくと良いでしょう。
Google広告アカウントを開設
まず、Google広告のアカウントを開設します。「Google広告」で検索するとアカウント開設ページに飛べますので、まずはビジネスに関する基本的な情報を入力しましょう。アカウント開設には、Gmailアカウントを取得している必要があります。
製品広告に表示される情報を含みますので、正確に入力するようにしましょう（後で変更可能です）。情報の入力が終わったら、ストア認証に進みます。
ストアを認証する
広告文を掲載するためには、ストアの認証を完了する必要があります。GoogleアナリティクスまたはGoogleタグマネージャーを利用し、オンラインストアのURLを入力しましょう。URLの入力が完了したら、広告の作成に移ります。
広告を作成する
自分でリスティング広告を作成することもできますが、製品データをアップロードすると広告の自動作成が可能です。製品の内容に変更があった時も、自動フィードがあればGoogleが自動で広告を更新してくれるため、大幅な時間短縮が可能となります。
ただし、手動で広告文を作成する方法はSEO対策がしやすいというメリットもあります。トレンドに合わせてキーワードなどの微調整ができるため、手間暇を惜しまないという場合は自分でリスティング広告を編集するのもありでしょう。
Google広告で入札単価を設定する
Google広告では、リスティング広告のクリック単価（上限CPC）や、1日の平均予算など、Googleに支払う費用を項目ごとに設定できます。初めて利用するという場合、リスティング広告費用は1日1,000〜5,000円程度から始めるのが無難です。
また、クリック単価を設定することで広告のトラフィックや投資収益率をコントロールできます。また、複数のキーワードに対して広告を展開する場合は共有予算を設定することも可能です。共有予算はキーワードごとの広告予算の合計上限値で、複数キーワードを狙う際により柔軟な運用が可能です。
リスティング広告のやり方は以上です。広告が掲載されてからは、トラフィックや売り上げの推移を分析して広告の効果を確かめましょう。リスティング広告は費用対効果が高いと言われていますが、複数の広告を展開する際は費用がかさみがちです。
適切な上限を設定し、最適な費用を設定するのも広告戦略の一部です。自身の広告同士で顧客の奪い合い（カニバリゼーション）が起こる可能性もありますので、リスティング広告のやり方がわからないという人は少数の広告掲示から始めるといいでしょう。
リスティング広告費用
リスティング広告費用は範囲が広く、一般的なクリック単価は数十円〜数百円とされています。以下に、事例ごとのリスティング広告費用の例を紹介します。
事例1：競争が激しい場合
例えば、旅行代理店などが「ハワイ旅行」などの人気キーワードを対象に広告を掲載する場合、広告を出している会社の間で競争が起こる場合があります。この場合、より高いクリック単価を設定している方が優先して表示されることとなりますので、クリック単価は数百円程度に設定しないと効果が得られない可能性があります。
例えば、200円単価のリステティング広告が50人の人にクリックされた場合、費用は10,000円となります。費用を抑えたいという人は、広告の質を見直してみるのも良いでしょう。Googleは掲載画像など、質の高い広告を優先して表示するとしています。
事例2：ニッチのビジネスの場合
地域に特化した小規模なビジネスや、市場規模の小さいニッチのビジネスの場合、リスティング広告費用は低めになります。「○○市 美容室」のようなキーワードは競合相手が少ないため、クリック単価を20〜30円程度に設定しても効果的な宣伝が可能となります。
事例3：ディスプレイ広告の場合
ディスプレイ広告の場合、前述よりも費用が若干高くなります。また、広告の制作コストがかさむほか、良いデザインやコンテンツがない場合はクリックに結びつきづらいというデメリットもあります。
事例4：キーワードを複数設定する場合
リスティング広告を効果的に運用するためには、複数のキーワードを設定する必要があります。例えば、スポーツ用品店が「ランニングシューズ」「ヨガマット」などのキーワードに対して広告を出す場合、それぞれのキーワードの競合状況やクリック単価を考慮しながら、予算を適切に分配しなければなりません。
この場合、クリック単価や最大予算の設定が煩雑となります。得られる効果も大きなものとなりますが、費用対効果が下落し始める飽和点を見極める必要性も生じてきます。
以上のことをまとめると、リスティング広告の相場はクリックあたり20〜200円程度で、キーワードの人気度に応じて価格は前後すると言えます。また、ディスプレイ広告よりも安いが複数キーワードを狙う際は特に、予算配分が難しくなるという特徴があります。
リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットは数多いですが、費用対効果が高いのはよく言われることです。日本人の半分近くがGoogleを使用していると言われており、Google広告を通じたリスティングは知名度向上と売上増加の両方に絶大な効果があることが証明されています。
以下に、その他のリスティング広告メリットをまとめてみました。
商品やブランドの認知度を上げられる
リスティング広告は、少ない費用で商品やブランドの認知度を向上させることができます。関連するキーワードを検索した人にのみ表示されるため、商品に関心を示す可能性の高い顧客層を狙い撃ちにできるのも特徴です。
また、広告がクリックされなければ費用が発生しないため、実質的にタダで商品やブランドの認知を上げられるのもポイントです。もちろん、クリックした人は商品やサービスを購入する可能性が高いため、効率良い運用が可能です。
同じ検索結果に複数の広告を表示することもでき、ブランドを知らない人に業界をリードしている印象を植え付けることができます。
購入までの流れがスムーズ
広告文をクリックすると製品販売ページに直接飛べるため、顧客が興味を失う前に購入を促すことができます。また、製品画像、価格、評価などを一度に表示するため、セールスポイントを凝縮して顧客に届けることができるのもリスティング広告のメリットです。
簡単に海外進出できる
多言語で広告を出すことで、海外市場にも簡単に進出することができます。購入ページは多言語に対応している必要があるものの、海外市場でも簡単に宣伝できるのは明確なメリットでしょう。前述の通り、認知度を上げる目的でも利用できますので、未開拓市場に参入する際の足がかりとして用いることができます。
さらに、最近では、記事上のリスティング広告にとどまらず、ムービー上の動画マーケティングとしてリスティング広告を打つことも可能です。動画マーケティングは、直感的にわかるため、海外進出とも親和性が高いです。海外進出の際には、現地人のペルソナを設定し、対象のターゲットを絞り、関連動画にリスティング広告を出してみるといいでしょう。
リスティング広告まとめ
リスティング広告のメリットや費用を紹介しました。効果的な宣伝を可能にするためには、適切なキーワード選定、魅力的な広告文の作成、リンク先の販売ページの最適化やローカライゼーションが欠かせません。
リスティング広告はやり方さえ分かってしまえば、運用代行の必要なく自分で管理することができます。代行費用の削減にも繋がりますので、その仕組みや効果をしっかりと把握し、最適な予算配分を心がけるようにしましょう。