暗号資産(仮想通貨)の「スイ(SUI)」はこのほど、トークン価格が長らく意識されてきた2ドルを超え、史上最高値である2.18ドルに迫っている。
SUIは、レイヤー1ブロックチェーン「Sui」のネイティブトークンだ。
同トークンは、ネットワーク需要や大手機関の採用が増加しており、過去1ヶ月では+100%以上の上昇を見せている。
「Sui」とは?
Suiは、低コストかつ高速な取引環境を実験するレイヤー1ブロックチェーンだ。主に、ゲームや分散型金融(DeFi)などネットワーク負荷のかかる利用を視野に入れている。
また、イーサリアム(ETH)が使用する「Solidity」とは異なり、Meta(旧Facebook)が開発した「Move」と言われるプログラミング言語で稼働しているのが特徴だ。
これにより、優れたスマートコントラクト(契約の実行機能)環境を備えることができるという。
SUIトークンの価格が上昇するにつれ、ネットワークの活動が活発化しており、5日には大手ブロックチェーンであるソラナ(SOL)ネットワークのトランザクション数を上回った。
価格上昇の背景
SUI価格上昇の背景としては、以下のような要因が挙げられる。
オンチェーン活動の増加
まずは、オンチェーン活動(DeFi利用やミームコイン売買)の増加が大きな要因としてある。
Suiの預かり資産額(TVL)は、過去1ヶ月で60%増加し、10億ドルを超えている。これは、ポリゴン(POL)やアバランチ(AVAX)などの大手ブロックチェーンを上回る数値だ。
特に、ステーキング系のプロトコルが成長しており、「Haedal Protocol」は過去1ヶ月で+200%以上のの成長を見せている。
また、Sui上のミームコイン市場も成長しており、Sudeng(HIPPO)やaaa cat(AAA)などが急騰を見せている。
大手機関による採用の増加
大手機関によるSui採用の動きが進んだことも、投資需要の増加をもたらしている。
大手ステーブルコインUSDCを発行するサークル社は、Sui上にUSDC(ネイティブ版)を展開することが決定した。
デジタル資産運用会社グレイスケールは、新たな投資商品「SUIトラスト」を立ち上げ、個人や企業がSUIへの資金投入を可能にしている。
リアルデバイスの誕生
最後に、ブロックチェーンを基盤として動くWeb3.0ゲーム機の発表も大きく話題を生んだ。
Suiブロックチェーンの開発元Mysten Labsは9月に、Web3.0ゲーム機「SuiPlay0x1(通称:Suiっち)」の先行予約販売を開始した。
同ゲーム機は、SteamやEpicなどを含むさまざまなWeb2.0およびWeb3.0ゲームを遊ぶこともできるデバイスとなっている。